精神障害を抱えている方が一般企業への就職を目指す場合、大きな関門となるのが面接です。
就活における面接は健常者でも緊張しますが、コミュニケーションを苦手とする精神障害を抱えている方ならなおさらです。

さらに障害者枠での就職を望む場合は、「自分の症状をどう伝えよう」という悩みも加わるわけですから、精神的なプレッシャーは並大抵のことではないでしょう。

ここでは、精神障害者の方が面接を受けたときによく質問される事項と回答ポイントを抽出しましたので、これから就活を行われる方はぜひ参考にしてみてください。

精神障害の方のことで企業側が知りたいこと

障害の方を採用するとき、企業には安全管理と合理的配慮が義務付けられていますので、応募者の障害の状況や配慮すべきことは必ず押さえなくてはなりません。

企業側が具体的に知っておきたいことは何か、ポイントを解説します。

仕事に関わる確認事項

・就業意欲があるのか
・就業の準備が整っているか
・応募者の希望と会社が用意できる仕事がマッチしているか
・業務に必要なスキルや経験があるか
・業務に必要なコミュニケーション能力を有しているか

障害に関する確認事項

・障害の詳しい状況
・会社側が配慮しなくてはならない点
・通院、服薬の有無
・現在のコンディションで就業可能か(医師の意見などがあれば併せて聞く)
・自分ができないことを理解していて、正しく伝えられるか

業務外の生活に関する確認事項

・基本的な自己管理ができているか
・どのような状況の時に不調になるのか
・疲労やストレスの解消法を自分なりに工夫しているか
・通勤手段
・その他、相談やサポートしてくれる支援者はいるのか

精神障害の人に対してよくある質問と回答のポイント

質問1

「障害の状況についての質問ですが、いつごろどのような原因で発病しましたか。
また、現在はどのような状況でどのような配慮を望まれますか。」

【回答のポイント】

1.発症時期、経緯、具体的な診断名を伝える
2.現在の状態、通院先、服薬の有無、医師の見解を伝える
3.専門の相談担当者と時間を設けることと、診察と薬の補充のため通院が不可欠であることなどを具体的に伝えておく

質問2

「症状が悪化するときはどんなサインがありますか。また、そのときの対処方法を教えてください。」

【回答のポイント】

この質問は、会社側がそのサインを把握したうえで症状を悪化させないためのフォロー体制を築いておきたいという意図のもとでされる質問ですので、抽象的な表現や遠回しな言い方は禁物です。たとえば「普段よりも格段に無口になってしまいます。服薬することで症状が改善される場合が多いです」

 などのように具体的に伝えておきましょう。

質問3

「ストレスの解消法を教えてください。」

【回答のポイント】

精神疾患を抱えた方がストレスを溜めやすいということを会社側も理解しています。
つまり、自己管理能力を問われているわけですので、「癒しの音楽や動画」などで終わってしまわないよう気を付けましょう。「現在通院している医師に相談することで適度にストレスを発散できています。その後、帰宅してから癒しの音楽をCDで聴くとリラックスした気分になります。」などのように、ここでも正直かつ具体的に伝えることが大切です。

質問4

「前職を退職した理由を教えてください。」

【回答のポイント】

この質問は障害を持つ方の面接に限らず、転職を目指す応募者には必ずと言って質問される事項ですが、いずれにしても前職の会社や職場の人たちの批判に終始することは慎まなくてはなりません。
障害の症状を含めた自分の問題を整理して答えるようにしましょう。また、退職してから空白の期間がある場合は、障害の症状の改善に努めていたことを交えて話すのがベストです。

精神障害の方には転職エージェント利用のすすめ

精神に疾患がある方が就活するとき、必ず通らなければならない面接についてのポイントを述べてきましたが、よりスムーズに行っていく手段として転職エージェントの利用もおすすめです。

転職エージェントとは人材紹介会社とも呼ばれ、求職者一人ひとりから過去の経歴やスキル、将来の目標などを専門アドバイザーがヒアリングし、希望に沿った就職先を紹介する企業です。

また、求人をする企業側の求める人材像についても詳しい情報を保持しているため、双方の希望に沿った就活を行うことが可能です。また人材派遣会社と異なり「就職のミスマッチ」が起こりにくいというメリットがあります。

もちろん、さまざまな障害の症状に対応可能なスタッフが所属している会社もありますので安心してサポートを依頼できます。

まとめ

障害採用枠で面接を行う企業は、応募者のハンディキャップを承知のうえで採用をしようとしています。
企業側が最も重要視している点は、応募者の現在と今後に関することです。

症状を曖昧に伝えたり、過小申告すれば両社にとって不利益になるだけです。
自分をよく理解してもらうために、質問には正直に答えて誠意を伝えたうえで「この会社で働きたい」という熱意を加えれば、面接の成功率は断然高まることでしょう。

「それでも自分だけでは面接の自信がない」「面接に備えてどのように準備すればいいかわからない」とお悩みの方は、ぜひイーチリッチにご相談ください。
本文でも解説したとおり、経験豊かな専門アドバイザーが求職者の方々の希望に沿った就活を万全にサポートします。