人材派遣の歴史は古く、江戸時代から存在していたと言われています。
都で働きたいという人のために仕事を斡旋する「手配師」や「口入屋」と呼ばれる職業が現在の人材派遣の元になっているようです。

当時は人身売買を行っていたり、多額の仲介料を要求されていたこともあるようでしたが、現在ではさまざまな規制が設けられ、健全な人材派遣が多くの事業者で営まれています。

この記事では、人材派遣会社を利用したいが登録を迷っている方のためにメリット・デメリットを解説していきます。

人材派遣会社の仕組み

仕事を探す際、自分の雇用形態の特徴をよく理解したうえで活動すると良いでしょう。
人材派遣については、「労働者派遣法」によって派遣可能な業務や期間などが定められています。
正社員やパートと大きく違う点は、雇用契約を結ぶ会社と実際に働く会社が違うということです。
通常、正社員のような直接雇用の場合は、雇用者と被雇用者の間で雇用契約を結び、給与も雇用主から直接支払われます。

一方、派遣スタッフは派遣会社と派遣先の2つの会社が関わってきます。
派遣会社は複数の派遣先企業と派遣契約を結んでおり、求職者はまず派遣会社に登録した後、派遣先が決定してから派遣スタッフとして派遣先企業で仕事をします。

派遣先企業は派遣会社に手数料を支払いますが、派遣会社は一定の経費を差し引いたのち、派遣スタッフに給与を支払います。
給与は、長期の場合は月1~2回、短期の場合はすぐに支払われることもあるようです。
派遣会社が好調な業績を維持するには、たくさんの派遣先企業を獲得する必要があります。そのためには優秀な人材を確保しなくてはなりません。

一般的に派遣先企業は、未経験者よりスムーズに業務を進められる実務経験者を必要としていますので、派遣会社は登録者の経歴やスキルを判別してから、該当スタッフを派遣することになります。

人材派遣会社利用のメリット

自分のライフスタイルに合わせて仕事ができる

派遣会社は様々な条件で募集しているので、自分のタイムスケジュールに合わせて働くことが可能です。
主婦のように「子育て中だから夕方5時までには帰宅したい」というような自分の事情に合わせて仕事ができるのが特徴です。

正社員よりも職に就きやすい

企業側は正社員で雇うとすぐには解雇できないので大きなリスクとなり、雇用には慎重になります。
しかし、派遣スタッフであれば予め期間が定まっていますので、このようなリスクを背負うことなく働いてもらえます。
つまり、正社員として働けないような仕事でも、派遣でなら働ける可能性があるということになります。

高時給のことが多い

正社員やアルバイトより時給が高い場合があります。
一般的にアルバイトでは時給が1,000円前後に設定されているケースが多いですが、派遣では1,500円超えなどもよく見かけます。

人材派遣会社利用のデメリット

賞与がない

通常はパート・アルバイトと同様、賞与はありません。
ただし、派遣先によっては「奨励金」などの名目で支給するケースもあるようですが、あくまで派遣先次第ですし、正社員と比較すると額は少ないのであまり期待しない方がいいでしょう。

社会的に低い立場である

一般的には派遣社員はつなぎの仕事と考えられる場合が多く、また働く側も一生派遣スタッフとして働いていきたいと思う人は少ないのが現実です。

収入が不安定

派遣会社に登録してもすぐに派遣先が決まるとは限りません。
当然、その空白期間は無給状態に陥り生活が脅かされます。
これをできるだけ防ぐため、求職者は複数の派遣会社に登録するケースが多いようです。

正社員より給料が安い

メリットの項で「時給が高い」と述べましたが、正社員は長く勤めていれば昇給もしますし、退職金も出るでしょう。
短期派遣であれば問題ありませんが、やはり長期的に考えたときは、正社員より給料が低いことは否めません。

まとめ

コロナ渦が収まらない今、転職活動をしながら人材派遣会社の登録を考える方も多いことでしょう。
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