厚生労働省が公表したデータによると、精神に障害を持った方の就職は40,624件で前年比18,1%減となっています。
ただし、その他の障害者の方についても同様で、やはり減少傾向にありました。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、「製造業」「宿泊業」「飲食サービス業」「卸売業」「小売業」といった障害者の方が比較的応募しやすい業種の求人数が減少するとともに、求職者の就職活動が抑制されたことが就職件数の減少につながったと説明しています。

コロナ渦以前は、法の整備とともに社会全体が障害者の方の雇用に積極的でしたし、現在でもすべての企業が障害者の雇用をやめてしまったわけではありませんので、むしろ一時的な情勢と考えた方がよいでしょう。

この記事では、精神に障害を抱える人の就職は本当に難しいのか、あるいは何かに留意すれば就職しやすくなるのかを解説していきます。

障害者雇用促進法の有効性

「障害者雇用促進法」とは、精神や身体的な障害がある人の職業安定を目的とした法律です。
条文によると対象となる障害者は「身体障害や知的障害、発達障害を含む精神障害、その他の心身の機能の障害により、長期にわたり職業生活に相当の制限を受けている者、あるいは職業生活を営むのが著しく困難な者」と定義づけられています。

この法律の中には「障害者雇用率制度」というものがあり、民間企業や公共機関に対し、雇用する労働者に一定の割合以上の障害者を含めることを義務づけています。
これを「法定雇用率」と呼び、1976年には1,5%でしたが、2013年では2,0%、2018年では2,2,%、そして2021年には2,3%まで引き上げられています。

さらに厚生労働省によると障害者雇用分科会では、2023年4月以降には2,5%ないし2,6%までアップする可能性を示唆していることから、新型コロナウイルスの影響が緩和されれば、今後も障害者の求人は増え続けていくと推測できます。
また、法定雇用率が未達成の企業には障害者雇用納付金が課せられ、障害者の不足人数に対し一定額を納付する仕組みとなっています。

ちなみにこれは、いわゆる罰金ということではなく、社会的連帯責任の理念のうえで行われ、各種助成金などに使われています。

精神障害を持つ人が採用率を上げるためのポイント

それでは、精神に疾患がある方が採用されるためにしておきたいことを見ていきます。

医師やカウンセラーに相談する

まずは、就活にあたり健康状態の安定に努めましょう。
就労可能な状態まで安定・回復しているか判断するのは「かかりつけ医」ですから、必ず相談に乗ってもらえるはずです。
医師の診断と服薬に加えて、臨床心理士による定期的なカウンセリングも効果的です。

自分の障害の程度や症状を把握する

自身の障害を明かして障害枠で応募する場合、面接などでも自身の症状や支援してほしいことなどを話す必要が生じます。
反対に障害を明かさずに就労する場合、安定した健康状態で働き続けるためには、自身の症状や体調の波などを理解しておくことが大切です。

支援機関に相談する

精神に障害がある方を支援する機関はたくさんあります。
「就労移行支援事業所」は地方自治体から指定を受けて、障害のある方の一般企業への就職をサポートしており、全国に3,300カ所以上あります。

「精神保健福祉センター」は、精神障害の確定診断が下りていなくても憂うつ感や抑うつ症状があれば相談を受け付けてくれます。
「地域障害者職業センター」や「障害者就業・生活支援センター」では、特に仕事面で悩みを抱えた方の職業相談を行っています。

精神障害の人も資格を取得すべき

資格は就職に成功するためのひとつの要素でしかありません。
しかし、資格を取得した能力とその努力は評価してもらうことができるので、確かに大きなアピールポイントとなることには間違いありません。
資格にもいろいろありますが、企業が求めるのは業務に実効性がある資格です。

具体的には、事務職のほとんどが使うExcelやWordのスキルが上がる「MOS(マイクロ・オフィス・スペシャリスト)」がおすすめです。
レベルは、スペシャリストとその上にエキスパートがありますが、一般事務で使う知識としてはスペシャリストで十分でしょう。
また、障害者枠の仕事だと経理や経理補助などが比較的多いので、「日商簿記検定」も取得した方がよい資格のひとつと言えます。

日本商工会議所が実施している検定で、企業で働く経理担当者に必要な簿記基礎知識が身につく3級を目標とすればいいでしょう。
その他、職種によってさまざまな資格がありますが、先に紹介した「MOS」に加えて「日商簿記検定3級」も取得しておけば、就活の際には必ず有利に働くことでしょう。

まとめ

精神障害の方の就職について解説してきましたが、さまざまな角度から推察しても一概に不利とは言えないでしょう。
適切な準備や対策を取ることにより、希望の企業へ就職できる可能性は十分あります。
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