日本経済団体連合会(通称:経団連)が2021年10月に発表した「わが国経済の足元の状況と今後の見通し」(※1)によれば、日本の中長期課題として消費の弱さを挙げています。
参考:日本経済団体連合会「わが国経済の足元の状況と今後の見通し」
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2021/1007_09.html
アベノミクス景気(2012~2018年)では、個人消費の伸び率が年平均0,3%増程度で、実質GDP(国内総生産)年平均1,2%増の4分の1程度でしかなかったと報告しています。
雇用者報酬は増加しているものの、年金給付額の抑制・社会保険料の段階的な値上げ・物価上昇に伴う実質可処分所得(税金・社会保険料などを除いた自由に使えるお金)が低迷したことを原因に挙げています。
さらに新型コロナウイルスのよる影響が不況に拍車をかけていましたが、ワクチン接種率が上がり感染者が減少し緊急事態宣言が解除されたことで、今後の景気回復が望まれるところです。
転職市場においても、2008年のリーマンショックの影響が収まりかけた2011年から新型コロナウイルス感染が蔓延する以前の2019年まで右肩上がりに転職者数が増加していたことを鑑みれば、コロナ渦収束後は各企業の採用活動も活発化していくことが予想されます。
この記事では、転職活動における重要な関門である面接試験で、どのような点に留意しておけば成功率が高まるか、解説していきます。
優秀な経歴なのに転職に失敗する人
中途採用試験で、書類選考では高い評価を受けて通過したにもかかわらず、面接で不採用になったというケースは少なくありません。
その一般的な理由としては「給与など条件面が折り合わない」「社風が合わない」などが挙げられるでしょうが、時には応募者が思いもよらない理由で不採用の判定が下されることもあります。
本人が意識しないで不採用となるパターンとして「自己PRが裏目に出る」とういことがあります。
通常、面接では自分の能力やキャリアを最大限にプレゼンしようとするものです。
「このような経験を積みました」「こういうスキルを身に付けました」などのアピールを終始続ける人がいます。
過去の経験や実績を伝えることに集中するあまり、「この会社を選んだ理由」や「この会社で何をしたいのか」という大事な部分が欠落してしまう場合が結構多いのです。
会社側としては、当然これまでの経験やスキルを活かしてほしいものの、成長意欲を感じさせる人材を求めているのです。
実際に「即戦力になる経歴を持つ人」と「経験が浅いが向上心が高い人」が比較され、後者が選ばれることもよくあります。
過去の実績だけではなく、「今後のビジョン」を語れるようにしておくことが必要です。
面接では不用意な発案をしない
自分の能力や意欲の高さをアピールしようとして、応募した企業の経営方針に対して「こうした方がいいのでは」「こうするべきです」など、積極的に発案してしまう人がいます。
しかし、その発案がその企業の現状に本当にマッチする内容であればいいのですが、的外れになっている場合は逆効果になり不信感を抱かせる結果となってしまいます。
企業の実情や風土をよく理解しないで不用意な発案をすることは避けた方が賢明です。
ただし、面接官から意見を求められた場合は、「あるいは以前に検討されたことがあるかもしれませんが」などと前置きしたうえで回答する必要があります。
面接ではしゃべりすぎない
面接で不採用になる人で「口達者」が災いして失敗するケースが意外と多いようです。
たとえば、最初に自己紹介をする場面で、延々と20分以上話し続けてしまう人がいます。
特にミドル世代以上の人は経験が豊富なので、自己アピールしようとあらゆる経験を全部話したいという心理が強く働くのでしょう。
話さなければ自分を知ってもらえないと思うかもしれませんが、面接官からすれば限られた時間の中で自己アピールだけで長時間割かれてしまうと、効率的に面接を進めていくのが困難になります。
面接の際は、1つの質問に対し回答は3分以内が妥当とされています。
前述した自己紹介の場合は、名前・簡単な経歴など1分程度で済ませるのが一般的です。
また、もう1つの重要なポイントは、面接では「聞かれた質問にだけ回答する」ことを心がけてください。
いろいろ話したいことがあっても、質問の要点を捉えることのみに集中し、簡潔に答えることが重要です。
まとめ
確かに就職活動での面接は、自分を高く評価してもらいたいという心理が過剰に働き、面接官との会話のキャッチボールの中で、微妙な食い違いが生じてしまいがちです。
前の会社から離職して、新天地である転職先で面接を受けている場合では、なおさら万全な準備が必要でしょう。
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