厚生労働省が2021年11月30日に公表した同年10月分の有効求人倍率は1,15倍で、前月に比べて0,01ポイント低下しましたが、新規求人は前年同月と比較すると8,7%増との報告でした。
これを産業別にみると、製造業(35,9%増)、教育・学習支援業(12,8%増)、情報通信業(11,1%増)などで増加がみられました。
しかし、このように一部の業界では増加傾向となったものの、全体では一昨年の同時期と比較して16%減の状態であり、まだまだ新型コロナウイルスの影響から脱却できない厳しい現状です。
さらに11月末に日本でも初の感染者が確認された変異株「オミクロン」の出現も新たな脅威となっているため、NHKの報道では今後の経済情勢について「先行き不透明」との見解を示しています。
さて、依然混沌とした社会情勢において、来春に向けた就活や現在の職場に不安を感じて転職活動を行っている人も多いことでしょう。
この記事では、就職活動の「第1歩」ともいえる、入社希望企業への応募書類について、ポイントを解説していきます。
就活での履歴書の基本事項と学歴の書き方
応募した企業の採用担当者にとっても、応募書類に目を通すことが選考の第一歩となります。
入社を希望する企業から「内定」を掴み取るには、この応募書類の記載内容には十分配意する必要があります。
企業によって提出を求められる書類が異なっていますが、基本的には履歴書を始めとして、新卒であれば自己PR書、中途採用であれば職務経歴書を作成する必要があるでしょう。
まず、履歴書の書き方ですが、氏名・住所・生年月日など基本事項は丁寧に書くことは言うまでもなく、ふりがなについては「ふりがな」と記載されている場合は平仮名、「フリガナ」と記載されているときはカタカナを使用します。
次に学歴欄ですが、応募した会社の業務にすぐ必要な専門知識を習得できるかどうかを見られることになりますので、大学名だけではなく学部まできちんと書きます。
また、近年では小学校など義務教育の学歴は割愛して、高等学校からの学歴を記載するケースが一般的となっています。
転職など中途採用の場合は、学歴の記載事項から一行空欄を挟んで前職の職歴を記載します。
別途、職務経歴書の提出を求められている場合は、そちらで詳細を記載するので履歴書では簡潔に記載するようにしましょう。
就活で提出する履歴書の資格・志望動機欄などの記載方法
資格欄には、今までに取得した資格を記載しますが、漠然と羅列するのではなく入社を希望する会社の業務に関係性のある資格から書くようにします。
もちろん、関係性が全くない資格であっても、自分がその資格を取得しようとした目的意識が明確である場合は、自信をもって記載しておきましょう。
反対に面接で「なぜこの資格を取得しようと思ったのですか」と質問されたとき、「友人に誘われて、いつか役に立つかと思って・・・」などのように目的意識が曖昧な場合は、敢えて記載する必要はないといえるかもしれません。
いずれにしても採用担当者は、資格を取ろうとした動機に注目しますので、自分の目標達成のために資格取得の必要性があったという経緯が答えられるようにしておきましょう。
次に志望動機欄ですが、当然のことながら応募者の意欲や思いを強く表す内容にまとめる必要がありますし、採用担当者の立場からも非常に注目する部分となります。
ここで注意したいのは、1~2行であっさり書いてしまうと「自己アピールが不足しており積極性がない」「サンプルなど定型文をそのまま使用している」と判断されかねません。
また、欄の範囲を一杯に使用し、びっしり長文で書いた場合も「意欲を伝えようとする積極性がある」と思われる反面、要点がつかめないような内容であったり、文字が細かすぎると、「読み手側に配慮が欠けている」とのマイナス印象を与えてしまいます。
やはり、少なくも多くもなく、ほどよい文章の量でまとめることが大切です。
相手が読みやすい適切な文章量でありながら、説得力がある内容であれば、「情報整理力」に優れていると判断されることでしょう。
就活における職務経歴書の書き方
職務経歴書は大別して2つのタイプがありますが、いちばん多く使用されているのが「編年体式」と呼ばれる時系列で業務内容をまとめる形式のものです。
もうひとつの「キャリア式」というのは、職務分野ごとにまとめるタイプです。
どちらも共通の留意点がありますが、そのひとつが「読みやすい工夫がされているか」という点です。
A4判で1枚程度、職歴が長い人の場合であってもせいぜい2枚以内に簡潔に収まっていれば、「読みやすい」と感じられます。
反対に「あれも伝えたい」「これも伝えたい」と4枚も5枚もにわたりダラダラと書いてしまうと、「読み手側への配慮に欠けている」と判断される可能性があります。
また、少なすぎるのも「自己PR力に欠ける」と思われてしまいますので、どのような経験やスキルを有しているか、どのくらい応募の意欲が強いかを簡潔明瞭にわかりやすく伝えられるよう工夫することが求められています。
まとめ
就職や転職などの活動は、人生の中で多く経験することではありませんので、「応募書類も面接も完璧にこなせる」ということは、なかなか難しいでしょう。
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