心細くてドキドキしたり、気持ちが落ち着かずそわそわしたりする不安という感情は、誰もが日常的に感じている感情です。
通常はそのドキドキする原因を取り除くことにより穏やかな気分に戻ることができます。

しかし、これといったはっきりした理由がないにもかかわらず、不安な気持ちが長く続いたり、自分ではどうにもならない不安が頻繁に起こる場合などは、病的な不安であり「不安障害」と呼ばれています

不安障害を抱えた方の中には、既に薬物療法や精神療法で治療を進めている方もいるでしょうが、この記事では日常生活の工夫によって日々の生活を安定させるポイントを解説していきます。

不安障害の人が陥りやすい食生活の乱れ

不安障害の人は、強い不安から夜なかなか寝つけずに夜更かしになってしまい、生活のリズムを乱してしまうことがよくあります。
健康の基盤となる食生活も同様に、食事の時間や回数が不規則になりがちです。
食生活では、栄養のバランスがよい食事を1日3食、規則正しくとることが基本です。

バランスがとれた食事とは、糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素に加え、ビタミン・ミネラル・食物繊維を適量とることができる食事をいいます。
主食(糖質)であるご飯やパン、主菜(タンパク質・脂質・ビタミン)である肉や魚、卵など、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)である野菜や豆類。海藻類などを取り入れるとバランスのよい食事になります。

不安障害の人の中には、不安を紛らわすため始終口に何か入っていないと落ち着かず、だらだらと食べ続けるケースも見られますが、朝食・昼食・夕食の決められた時間以外は食べないようにすることが大切です。

また、肥満も万病のもとになりますので、自分の仕事量に合ったカロリー摂取を心がけましょう。

【自分の標準体重とカロリー摂取量】
・標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
・1日の適性カロリー(kcal)=標準体重(kg)×25~35(kcal)
※下線部は事務職または肥満の人が25、普通の労働の場合は30、重労働の人は35で計算。

不安障害の人が避けるべきもの

アルコールやたばこなど、嗜好品の中には病状を悪化させるものがあるので要注意です。
たしかにお酒を飲めば不安が和らぎ、気分が高揚する効果があるでしょう。

しかし、それは一時的なものでありアルコールの作用が切れれば、一気に気分は落ち込むことになります。
それを避けるため朝や昼間から飲むことが増えて、ついにはアルコール依存症が進んでしまうケースもあります。
そうなってしまうと正常な社会生活が困難になりますので、不安をかき消すために飲むという飲み方は絶対にしないようにしましょう。

また、たばこに含まれるニコチンにも不安を解消する作用があることから、不安障害の人には喫煙者が多いと言われています。
しかし、これも一時凌ぎに過ぎず、作用が切れると不安な気持ちが戻ってきます。
とりわけヘビースモーカーの場合は、パニック障害の発症率や広場恐怖症の併発のリスクが高いと言われています。
不安障害の人は禁煙を実行した方が賢明だと言わざるを得ないでしょう。

不安障害を克服するために運動をする

不安障害の人で回避行動や広場恐怖があるときは、行動範囲が狭くなるため、必然的に体を動かす機会も少なくなります。
さらに、パニック発作を起こしたことのある人は、発作時の激しい動悸や息切れになることを避けるため、運動から遠のく傾向があります。

しかし、適度な運動には精神を安定させるセロトニンという物質の分泌を促す効果がありますので、不安障害やうつ病などの改善に役立つことが分かっています。
では、具体的にはどのような運動をしたらよいのでしょうか。
不安障害の人に向いている運動は、酸素をたくさん取り込みながら、ある程度続けて行う「有酸素運動」がおすすめです
ウォーキングやスイミング、サイクリングなど、自分のペース配分で行うことのできる種目が向いていると言えます。

あくまで「きつい」と感じない程度で進めることが大切で、1回20~30分、週3回位が望ましいとされていますが、無理をせず仕事のない休日から始めるといいでしょう。

ただし、休日であっても体調が悪いときや疲れているときには逆効果になってしまいますので控えるようにしましょう。

まとめ

不安障害の人が、ストレスをなくし不安をやわらげリラックスして暮らすには「規則正しい生活」と「適度な運動」が必要であることを解説してきました。

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