心の病は自分とは無縁だと考えるのは、大変な間違いです。

心の病は外因(薬物や脳の病気が原因)、内因(遺伝または個人の素質が原因)、心因(直面している状況で自分の考え方や振る舞い方が原因となっている)の3つの原因によって起こるとされています。

多くの場合、ひとつの原因だけではなく、複数の原因が複雑に絡み合っているものです。
つまり、病気のきっかけは、ストレスや不安など、身近なところに存在しているのです。

この記事では、働き盛りに発症しやすいといわれる「パニック障害」について分かりやすく解説していきます。

パニック障害とは

1980年までは「不安神経症」と呼ばれていた病気が「パニック障害」という診断名に変わり久しくなりますが、病気自体は昔からあり、比較的かかる人の多い病気です。
厚生労働省の「パニック障害・不安障害」によると、一生の間でパニック障害になる人は、1000人で6~9人としています。

参考:厚生労働省の「パニック障害・不安障害」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html

また、男性よりも女性の方がなりやすいとも報告されています。
では、その「パニック障害」とは、一体どのような病気なのでしょうか。

パニック障害は、不安障害の代表ともいえる病気で、近年は患者数も増えているそうです。
パニック障害は、ある日なんの前触れもなく突然「パニック発作」という激しい発作に襲われることで発症します。
パニック発作は以下の症状のうち4つ以上が同時に起こり、10分以内に急激に高まり、急速におさまっていくものをいいます。

【パニック発作による身体症状】

・動悸、または心拍数の増加
・発汗
・からだの震え
・息切れ感、または息苦しさ
・窒息しそうな感覚
・胸痛、または胸部不快感
・吐き気、または腹部の不快感
・めまい、ふらつく感じ、気が遠くなる感じ
・現実感がない、離人症状(自分が自分でない感じ)
・気が変になるのではないかという恐怖
・このまま死んでしまうのではないかという恐怖
・皮膚感覚の麻痺、またはうずく感じ
・からだ全体の皮膚が冷たい、または熱いという感じ

ただし、パニック発作と定義づけられるのは、検査でからだに異常がないことが確認されたうえでのこととされています。
症状はあまり長く続かず、ほとんどの場合は30分以内でおさまります。
パニック障害の人は繰り返し発作が起きるため、「もっと発作が起こるのではないか」という心配の継続によって、さらなる発作を引き起こすケースも少なくありません。

パニック発作は、場所や状況にかかわらず突然起こるのが特徴です。
リラックスしているときや睡眠中であっても、ところかまわず発作が起こります。
このような突然の発作を繰り返すうちに、発作の起こった場所や同じ状況に身をおくと緊張が高まり、自ら発作が起こりやすい状況を作ってしまうのです。

また、パニック発作は緊張したり不安を感じたときに起こりやすいので、起こりやすい場所としては、病院の待ち時間、式典の会場、トンネルやエレベーターなど狭い空間、デパートや繁華街など雑踏の中、あるいは誰にも助けが求められないひとりきりの状況などが挙げられます。

なぜパニック障害は働き盛りに起こりやすいのか

パニック障害は、25歳位から35歳くらいまでがいちばん発症しやすく、60歳を超えると急激に減少するとされています。
その年代はというと、就職してから一定期間が過ぎ仕事では後輩ができて、責任のあるポジションを任せられる時期です。
また、プライベートでも家庭を築き子供の教育問題、住宅ローンの返済、親の介護などさまざまな問題を乗り越えていかなくてはいけない時期ですので、まさに「働き盛りの年代」といえるでしょう。
政府が推進する「働き方改革」とは、多様な働き方の実現や長時間労働の解消などを目的としたものですが、「仕事が生きがい」という人は意外にたくさんいます。

「働き盛り」なので当然といえば当然でしょうが、こうした仕事人間は、一見、生真面目で頼もしい存在と思われがちですが、いいかえれば仕事以外では何をすればいいのか分からないということです。
不安やむなしさから逃れるために仕事依存症になっている可能性があります。
自分の仕事を評価してもらうことで安心を得ようと、疲れていても休まず働きます。
しかし、そうした無理な状態はからだや心をストレスで押しつぶしていきます。
冒頭でも述べたとおり、ストレスや不安が病気の引き金となり得ますので、この時期においては十分に注意したいところです。

女性特有のパニック障害事情

多くの女性が仕事を持つ現代では、上司が女性、部下が男性という光景はもはや珍しくはありません。
しかし、日本ではまだまだ男性社会が根強く、女性の登用を阻む傾向が残っているのが現状です。
そのようなケースでの女性のストレスの大きさは想像に難くありません。

一方で家庭においても、家事や育児は女性の仕事と見る向きが残っており、働きながら家事をこなす女性に大きなストレスがのしかかっているのが実情でしょう。
また、多くの「働き盛り」の女性は、妊娠・出産という大仕事をこなさなければならない時期でもあります。
女性ホルモンの周期は、体調や精神状態に大きな影響を及ぼします。
月経前ではパニック発作が起こりやすくなります。
また、パニック障害の症状は、妊娠中は軽くなり出産後は再発することが多いといわれているため注意が必要です。

まとめ

心の病にならないためにも、日ごろから自分のストレスに気づくようにして、気分を晴らすための手段を身につけることが大事です。
それでも、「なんの不安か分からないが、漠然とした不安が長く続いている」といったようなときは、我慢したり放置したりせずに専門科を受診するようにしましょう。
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