「ストレス」と聞くと嫌なことや辛いことを想像してしまいがちですが、実はストレスは楽しいことや嬉しいことでも原因になりえます。
「コロナ渦だから」「就職難だから」などというような大変な時代という場面だけではなく、喜びや悲しみ、怒りなどと同じように、もっと昔から自然にあった人の感情の一部なのかもしれません。

この記事ではストレスについて詳しく解説しますので、正しく理解して毎日を快適に過ごすための参考にしていただけば幸いです。

ストレスとは何か

朝日新聞(デジタル版)の2021年1月9日の記事によると、コロナ渦による生活の変化を世論調査した結果、ストレスが増えたと答えた人は53%で、変わらないという人は44%、減ったという人はわずか1%であったそうです。

参考:朝日新聞(デジタル版)2021年1月9日の記事
https://www.asahi.com/articles/ASP1676NJNDLUZPS009.html

この場合のストレスとは、在宅勤務などにより「家族以外の人と会う機会が減った」などの生活の変化からのストレスだとしています。

では、そもそもストレスとは一体どんなものなのでしょうか。
元々は「ある物体に圧力がかかって歪んだ状態」を意味する物理学用語ですが、厚生労働省が定義している「人」におけるストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことと示しています。

天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足など身体的要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が多忙などの社会的要因があり、日常的に起こるさまざまな変化がストレスの原因になります。
たとえば、進学や就職、結婚や出産などの喜ばしい出来事も変化であり刺激ですので、ストレスの原因になるのです
逆にストレスを感じていない状態とは、ぽかぽかとした陽気の中でうたた寝をしているときのように、外から変化も刺激もない状態をいいます。

ストレスが及ぼす病気

なぜストレスが心やからだに影響を及ぼすのでしょうか。
人のからだの中には無数の神経がありますが、自らの意思とは関係なく心臓や胃腸などの働きをコントロールしてくれる「自律神経」というのがあります。

通常は、ストレスの原因となる変化や刺激に対して、この自律神経が仲介役となり体内の防衛体制が整えられています。
しかし、その変化や刺激が度を超すと防衛体制は破壊されてしまい、心拍数の増加、血圧の上昇、筋肉のこわばりなどが生じることがあります。

この状態が長く続くと疲労もたまり、さまざまな病気を引き起こすきっかけとなってしまいます。
さて、それではストレスが原因の疾患とはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものを紹介します。

心身症

精神的なことが原因で特定の臓器に機能的・気質的な異常が起こります。

【神経性胃炎】

イライラや精神的な緊張が続くことで、胃の痛みやもたれなどの症状が出ます。
仕事が忙しくて食事が不規則、喫煙者で夜中まで飲酒する、そして寝不足というような人は要注意です。

胃・十二指腸潰瘍】

神経性胃炎と同様、代表的なストレス症といえます。
精神が極限状態まで追いつめられると「一晩で胃に穴があいてしまう」といわれるほど、消化器機能は精神状態に大きく左右されます。

受験生、管理職、締め切りに追われる新聞記者などに多く見られるようです。

【円形脱毛症】

10円玉のように抜け落ちてしまう症状をいいます。
重症になると頭髪全部が抜け落ちたり、体毛まで失われる場合があります。
痛みは伴いませんが、見た目の関係上、特に女性にとっては避けたい病気です。

自律神経失調症

自律神経失調症は、検査をしても異常を認められないのに目まいや立ち眩み、激しい動悸、のぼせ、冷えなど原因不明な症状が続きます。
そのほかで見られる症状として、疲れやすい、微熱が続く、不眠、頭痛、食欲不振、胃痛、便秘、下痢などが挙げられます。

精神障害

統合失調症、妄想性障害、機能障害、または脳細胞やドーパミンなどの脳内物質の障害によって引き起こる重い精神障害を指します。
精神科など専門的な治療が必要になる場合もあります。

【気分障害】

うつ病、そううつ病、脳内神経伝達物質のバランス障害により気分に異常をきたします。

【神経症】

一般的に「ノイローゼ」と呼ばれる症状です。
不安神経症は、漠然とした危機感や死の恐怖から、突然激しい動悸、冷や汗、体の震えなどが起こります。

また、悩みや葛藤があったとき、あるいは欲求や望みがかなわないときに病気に逃げ込んでしまうヒステリーと呼ばれる症状もあります。
そのほか、難人症、抑うつ神経症、強迫神経症などがあります。

ストレスに弱いタイプ・強いタイプ

ストレスの受け方は人それぞれです。
ある人には、苦痛以外の何物でもなく逃げ出してしまいそうな気分になる状況でも、反対にそのプレッシャーにより断然燃えて頑張れるタイプの人もいます。
ストレスに弱い人と強い人とはどんなタイプなのか見ていきましょう。

ストレスに弱いタイプ

【几帳面で責任感が強いタイプ】

細かいところまできちんとやらないと気がすまない、人から頼まれたことは最後まで責任を持って行うタイプ。
妥協を許さず完璧を目指すあまりに、思いどおりにいかないとイライラしたり、自分を責めてしまうなど、ストレスをためやすい傾向のタイプの代表といえるでしょう。

【内向的なのに協調性があるように見せるタイプ】

仲間と食事に行って本当は和食を食べたいのに周りに合わせて中華を食べてしまう、仕事が終わって早く帰りたいのに同僚に誘われ我慢して飲みに行くなどのタイプ。

自分に意見が言えず、周りに合わせて行動するタイプの人は、ストレスをためやすいタイプといえるでしょう。

【神経質で感受性が高い】

神経が細やかでいろいろなことによく気がつく反面、あれこれ気になり思い悩むタイプ。
あるいは、普通なら少し残念な出来事に対して、過剰に悔しがったり落ち込んでしまうタイプもストレスを感じやすいタイプです。

ストレスに強いタイプ

気持ちの切りかえが早いタイプ】

不快なことがあっても、すぐに気持ちを切りかえ行動するタイプ。

【他者の目が気にならないタイプ】

周りの人からどう見られているか、どう評価されているかが気にならないタイプ。

【率直に感情を出せるタイプ

常に自分の意見を堂々といえる、または喜怒哀楽を隠さないタイプ。

まとめ

生活していくうえで、厄介な人間関係や面倒な仕事などからくるストレスは避けて通ることはできません。
ストレスを緩和して自律神経の機能を保つには、心身を興奮状態にする交感神経の働きを抑え、からだを休ませ気持ちを落ち着かせる副交感神経の働きを強くすることが重要です。
自分なりのリラックス方法を見つけ、快適な生活を続けましょう。

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