かつての終身雇用の時代では、新卒で入社した会社に定年まで勤めあげることが当たり前とされていましたが、その時代が崩壊した現在では転職する人も珍しくありません。

2020年2月に総務省統計局が公表した2019年度の転職者数は351万人で過去最多としています。

参考:総務省統計局「トピックス№123」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/topics/topi1230.html

コロナ禍の影響や家庭の事情など、退職する理由はさまざまでしょうが、辞めるときはマナーを守り、職場の人に迷惑をかけないようにしなくてはいけません。

適切なタイミングで必要な手続きをして、円満退社ができるようポイントを解説していきます。

転職に向けた退社への手順

退職したいと考えたとき、まずは辞めたい理由を書き出してみましょう。

退社せずに改善できる可能性がないか思い直してみて、それでも転職を目指したい場合は直属の上司へ「転職を考えているのですが」というような相談の形で申し入れます。

このタイミングで重要なのは、業務への影響を考慮することです。
退職の申し入れは法律上では2週間前とされていますが、業務への影響を考えると1か月前に申し出るのが一般的です。

ただし、いずれにしても繁忙期を避けるのが常識的でしょう。
また、退職の理由ですが、本当の理由はどうであれ、個人的な前向きな理由を考えておく必要があります。

具体的には、「キャリアを積み重ねたい」「資格を活かしたい」などであれば将来を見据えた転職であると想像できますので好印象を持たれますが、「職場の同僚と気が合わない」「もっと自分に合った仕事に就きたい」など批判的な理由は避けるべきです。

上司が了承してくれたならば正式に退職願を提出します。
会社に退職願が受理されたときは、速やかに業務の引継ぎを行うとともに、社内外のお世話になった人たちに挨拶をしましょう。
退職日には社員証や貸与品を返還し、離職票を受け取ります。

転職を阻む事例の対策

上司や会社側が「繁忙期なので今退職されると困る」「退職を申し入れたのが退職希望日の直前だった」などの理由以外で、正当な理由もなく辞めさせてもらえない場合は社内の相談窓口や労働組合、または管轄の労働基準監督署に相談してみましょう。

また、転職について家族が同意してくれない場合も考えられます。
まずは、転職することで年収の減少や住居の移転などデメリットの有無について、家族に伝えましょう。
そして、転職することによりスキルアップや経験の積み重ねなど自分の将来にプラスになると訴えることが大切です。
また、家族と話し合うことで自分とは違う視野での意見を聞くことで、転職以外に状況改善の手段が見つかるかもしれません。

転職前の各種手続き

離職日が決まったら退職願を提出します。
退職理由は前述のとおりマイナス印象を与えるものはNGですが、シンプルに「転職のため」という理由でも構いません。

次に会社から貸与されたものはすべて返却します。
交通費が定期券で支給されていた場合は定期券も返却します。
退職時に返却するものと受領するものの一般的な例を以下に記します。

【返却するもの】

・社員証・身分証明書
・健康保険証
・IDカード・セキュリティカード
・その他、支給されていた備品

【受領するもの】

・雇用保険被保険者証
・離職票
・健康保険資格喪失証明書
・源泉徴収票
・厚生年金基金加入員証

退職の挨拶に関しては、たとえ親しい同僚であっても退職願が正式に受理してから伝えるようにしましょう。
引継ぎを兼ねて、お世話になった取引先への挨拶も忘れずに行います。
その際は、在職中自分がお世話になった感謝の気持ちを伝えるとともに、「今後は同じ部署のスタッフである○○が御社を担当させていただきます」と、順調に引継ぎが完了していることも伝えましょう。

まとめ

転職・退職するときは周囲への気遣いを忘れずに進めていきましょう。
同じ業界へ転職する場合などは、評判がついて回ることも肝に銘じておかなければなりません。
「転職を考えているが決断できない」「転職の手順がわからない」などでお悩みの方は是非イーチリッチにご相談ください。
経験豊富な専門アドバイザーが次のステップへ適切にサポートいたします。