転職先が決まると「やっと希望の仕事に就けるよ」と、安心してしまう人は多いのではないでしょうか。
しかし、本当にそれで転職が成功したといえるのでしょうか。
転職者にとって転職先が決まるということは、成功のための最初の一歩を踏み出したにすぎず、たいへんな早合点といわざるを得ません。
大抵の場合は、新しい会社に入れば今まで聞いたこともないような社内用語や業界用語に悩まされることになります。
また、知り合いもほとんどいないでしょうから、自分が知りたい情報がすぐに手に入らないことにも苦しめられます。
そればかりか、上司や同僚との相性も、実際に一緒に働いてみないとわかりません。
この記事では、転職直後のさまざまな場面で、どのような心構えが必要なのかポイントを解説していきます。
転職初日に襲われる失望感
コロナ不況で就職難の時代に転職先が決まるというのは、なかなか簡単なことではありません。
そのような人は、その狭き門を突破してきたわけですから、ほかの人にはない魅力があったはずです。
また、それまで勤めていた会社からも強い慰留があった人もいるでしょう。
いずれにしても、貴重で重要なスキルを持った素晴らしい人であるはずです。
ところが、その求められていたはずの人の転職初日に信じられないようなことがよく起こることも認識しておくべきです。
サラリーマンにとって年度初めというのはやはり特別なものですから、新しいスタートに際していろいろな準備を入念に行います。
その経緯の中で、新入社員の存在も大事な戦力として計算されています。
ところが、中途採用は通年採用ですから、多くの転職者は4月以外の8月1日とか、11月1日に初出社となる人もいるわけです。
そのような場合、直前は通常の月末で、大量の納品があったり受注の締めであったり繁忙を極めているケースが少なくありません。
そんな中、新参者である転職者の迎い入れ準備に十分な時間を割くことは難しいのです。
そのために、初出社の日に配属先へ出勤してみたら担当部署の責任者は不在で、周りの人も話を聞かされていず長時間部屋の隅っこで放置されるなどというケースはよくあるものです。
既存社員からしてみれば、不十分な受け入れ態勢などは当然悪意ではなく「うっかりミス」レベルの話なのですが、求められて意気揚々と入社したはずの転職者の立場からすれば、あまりにひどい扱われぶりに初日から相当落ち込むことになります。
さらに追い打ちをかけるように、帰ってきたその部署の責任者から「いやあ、すまなかったね。でも○○さん今日からでしたっけ?」などといわれたら、一気にやる気が失せてしまうことでしょう。
ただ、ここで知っておいていただきたいのは、入社するまでは外部の人間として大事に扱ってもらえる存在でしたが、入った瞬間からその会社の社員の1人に過ぎないということです。
つまり、社員の人数分の1ということになり、特別な存在ではないことを肝に銘じておいてください。
転職者が歓迎されない理由
せっかく転職したのに特に周囲から歓迎されるわけでもなく、自分に無関心な人たちとこれからうまくやっていけるのだろうかと不安になるときもあるでしょう。
しかし、実際には自分たちの中に知らない人が入ってくれば、気にならないわけがありません。
みんな仕事で忙しそうな素振りをしながら、やはり新しく入ってきた人が気になって何気なく様子を覗っているのです。
チームに新たな人材を迎えた場合、新しいスキルを持っていて役立つ可能性があるため、「この人が自分と違うものを持っているのか」「自分より上か下か」など結構シビアにチェックしているのです。
そのような理由から、転職してきた人を手放しで歓迎するという気持ちの余裕がないという人もいるのです。
特にその転職者のために「出世が遅れる」という場合もありうることを忘れないでください。
スポーツの世界でも、今までぎりぎりのラインでレギュラー入りしていた選手が、新しい選手が入ってきたおかげでベンチに回されるということはよくある話です。
転職者が入社してきた場合も同じで、「次は自分が課長に昇格する番」と思っていた人が、転職者が席次上その人の上に入ったせいで課長になるのが遅れるなどのようなケースは十分考えられることなのです。
その人にとって転職者はまさに「招かざる客」であり、あからさまに嫌がらせをすることはないとしても、快く歓迎する存在ではないのです。
以上のように転職後の新しい同僚たちとの出会いは、想像していたような和やかな雰囲気ではないかもしれません。
この段階では「転職先では必ずしも歓迎されるものではない」ということを覚えておいてください。
転職後の良好な人間関係づくりの近道
相手の名前を覚えることは、ビジネスの基本中の基本といえます。
転職後、新しい職場に溶け込むにも、上司や同僚たちの名前をすぐに覚えることが肝心です。
自分の名前をなかなか覚えてもらえなかったり間違えられたりすると、誰でもがっかりするものです。
反対に自分の名前を早く覚えてもらって嫌な気持ちになる人はいません。
したがって、転職直後に自分の存在を早く認知してもらいたいのであれば、まずは同じ部署の人の名前を正確に覚えることが大事です。
人の名前を覚えるコツとしては、あらかじめ部署の人たちの名前を聞いておくことです。
事前に直属の部長や課長など上司と話す機会があるなら、「どのような人がいるのですか」と聞いでおくのもいいでしょう。
このようにして1度、頭の中に「○○さんがいる」という情報をインプットしておくことで、実際本人に会ったときに「この人が○○さんか」とフィードバックできるので早く覚えることができるのです。
とりあえず、名前だけでも覚えておけばいいのですが、できればその人にまつわるこぼれ話なども聞いておければ、なおいいでしょう。
特に役職の人や先輩に関しては、その人の成功事例などを聞いておけば、実際にその人を
目の前にしたとき「○○さんは、もしかして△△の一件を解決した方ですよね」などといえば「いやあ、そんな話は昔のことだよ」といいながら相手も悪い気はしないでしょう。
早く自分を認知してもらいたいときは、相手の顔と名前をすぐに覚えて、そしてちょっとエピソードを知っておくとグッと距離が縮むはずです。
まとめ
転職先に入社しただけでは転職に成功したとはいえないと冒頭で述べました。
実際に転職直後は苦難の連続で、「転職してよかった」と喜べる状況ではないでしょう。
しかし、その数々の苦難を乗り越え一回りも二回りも大きくなったとき、はじめて転職に成功したといえるでしょう。
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