経済のあらゆる分野でビジネスを展開している方であれば、雇用者が質の高い労働力を得るためにどれほどのコストがかかるか、すでに理解していることでしょう。
新型コロナウイルス感染拡大の影響と相まって、多くの企業が従業員への給与支払いが困難になりつつあります。
会社の財政が逼迫しているとき、経営者が真っ先に考える解決策の一つが、コスト削減と言えます。
そんな苦難な状況下で、人員整理をせずに人件費を削減する方法を模索しなくてはなりません。
この記事では様々な経費削減方法の中でも、最も難しい人件費について紹介していきます。
経費削減を人件費で行う際の注意点
人件費を削減することは賢明なアイディアかもしれませんが、従業員を失うということは、単に人数が減るだけではありません。
従業員がいなくなると、その人が持っているスキルや知識、仕事の経験を失うことになります。
人件費を削減する方法は、従業員を手放すことだけではありません。
むしろ会社の経費を少しでも減らすために、独自のスキルを持った従業員を手放すことは最も愚かな行為かもしれません。
従って適正な知識を持って実施していくことが求められます。
人件費削減の具体的ポイント
労働時間の短縮
人員を削除せず、ワークシェアリングを導入することでコスト削減につながります。
ワークシェアリングとは、通常一人で担当している仕事を複数人で分けることで、それぞれの負担を軽減させられるため、生産性の向上が見込めます。
また、労働時間を短縮することで人件費削減にもなりますが、当然のことながら従業員の収入も減ることになるので、人選には十分な配慮が必要です。
育児中や資格取得のために勤務時間の短縮を望む人などを慎重に選ぶことが大切です。
営業時間と人員配置を考慮する
業種にかかわらず、月曜日から日曜日までの仕事量はまったく同一ではないはずです。
お客や取引先との打ち合わせなどスケジュールの多寡に適応した営業時間も検討した方がよいでしょう。
また、業務の繁忙状況によって人員を増減するなどの工夫も有効な対策です。とは言え毎日のように様々な要因で営業時間と人員を変動させる事が困難な業態もあると思います。
しかし、会社が営業していれば人件費はもとより水道光熱費・通信費など決して無視できない経費が発生しているのも事実です。
要は稼働していることが、利潤に反映していなければ無意味ということです。
採用コストの削減
業績が上がることによって人手不足となり、新規雇用の必要が生じることもあります。
新規雇用における採用コストには、求人媒体の広告費・会社資料の作成費・面接担当者の人件費などが掛かります。
株式会社マイナビが行った「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、新卒の入社予定者一人当たりの平均採用費は、48万円であるとの統計が出ています。
このコストを削減するには、求人メディアの課金形態を調査し、より費用対効果の高いプランを選ぶことが大切です。
また、フルタイムの正規社員ではなく外部の人材派遣・人材紹介会社に委託した方が人件費を抑えられる場合もあります。
参考:https://mcs.mynavi.jp/enq/naitei/data/naitei_2019_r.pdf
デジタルツールの活用
各種ツールを効果的に活用すれば、人件費を大幅に削減できます。
コンピューターのシステムにAI(人工知能)などの最新技術を導入することで、いくつかのプロセスを自動化し、生産にかかるコストと時間を削減することができます。
従来、手作業で行っていた業務が自動化することで、人件費削減につながります。
コロナ渦における経費削減の施策
首都圏を中心に緊急事態宣言が延長している現状でビジネスも大きく変化しました。
リモートワークの導入で在宅での就業も珍しくなくなりましたが、この取り組みは感染防止対策だけではなく、人件費削減にも大きく貢献します。
例えば、新入社員の研修に掛かる移動・宿泊・会場などに関わる採用コストが、リモートワーク導入によって軽減されます。
しかも、かつて2時間かかっていた講義が、研修生が事前学習することで30分に短縮されたという事例もあります。
まとめ
どこの企業も無駄のない経費管理を目指すのは、今も昔も変わらないでしょう。
ただし、ITを始めとするテクノロジーの著しい進化によって、その手法が変わりつつあります。
先に述べたとおり、とりわけ人件費に関しては、間違った削減を実行してしまうと従業員のモチベーション低下や生産性減少の逆効果となってしまう危険性をはらんでいます。
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