何かしらの障害をお持ちの方が現在の仕事を辞めて転職したいと考えているとき、「もっと自分に合った仕事はあるのだろうか」「転職先があっても職場環境に馴染めるだろうか」などの不安から、どうしても行動に移せない場合も少なくないでしょう。
しかし、現在の状況に苦しんでいるのにもかかわらず、我慢しながら仕事をしていくことは、心身ともに大変な負担となっていることを否めません。
厚生労働省の「令和2年障害者雇用状況の集計結果」によると、同年の民間企業及び公的機関における雇用障害者数は約58万人で前年比3,2%増加、法定雇用率達成企業の割合は48,6%で前年比0,6ポイント上昇しているとのことです。
政府の指針である「働き方改革」も相まって、障害者の雇用数も年々増加していくことが見込まれますので、これに比例して各企業の間口も広がっていくことが予想されます。
この記事では、障害をお持ちの方が転職活動を行うときのポイントを解説しますので是非参考にしてみてください。
障害者の方が転職を考える理由
転職したいと思う理由については、その症状にもより千差万別でしょうが、よくあるケースを見ていきたいと思います。
なぜなら、転職先を選定していくにあたり、それらのケースの原因となりうる要素がその企業にないか判断材料になるからです。
職場の雰囲気や人間関係
障害を公表せず就職した場合、障害の症状を周囲に認識してもらえず、良好な人間関係を作るのが難しくなってしまうケースがあります。
また、入社時に障害をオープンにしていたとしても、症状によっては見た目から大丈夫だと判断され、健常者と同等の扱いをされてしまう場合もあります。
仕事の内容が合わない
自分に合った仕事でないと、極端に体力や意欲が削がれてしまうことがあり、最悪の場合は症状そのものを悪化させてしまうケースも見られます。
労働条件や賃金に不満
障害者向けの求人で就職した場合は、会社側が障害を配慮したうえでシンプルな業務内容に設定していることが多く 、体力・精神ともに負担がかからない反面、賃金に不満を抱いてしまうケースもあります。
障害者の方の不採用理由
次に反対の立場である、障害のある求職者と面接した人事担当が「不採用」と判断する可能性がある理由をまとめてみました。
あくまで決定的な事由というわけではありませんが、少なくてもマイナスポイントになりうる言動ですので、事前に意識して転職活動を行ってください。
・障害の質問に対する回答が抽象的で、自分の症状を理解していない
・会話によるコミュニケーションに問題がある
・前職を退職した理由が曖昧
・求職する会社の情報を知らない、準備不足
・声や態度に覇気がなくやる気が感じられない
障害者の方の面接における最大のポイント
面接の担当者から多い質問として「どんな仕事がしたいか」というものです。
それに対して意外に多いのは、「何でもやります」「どんな仕事でも頑張ります」という回答です。
この答えは確かにやる気は感じられるものの、「指示されたことは何でも頑張ります」という受け身の姿勢が見えてしまいます。
しかしながら、面接で本質的に問われているのは、「是非この会社で働きたい」「こんな仕事がしたい」という、求職者の主体性と具体性が重要視されます
漠然とした「やる気」だけを前面に出すと、かえって裏目に出る場合があるので、注意が必要です。
面接試験を受ける会社を選んだ理由を具体的に明示するとともに、過去の経歴などに裏付けされた説得力のある仕事への意欲を訴えることが重要になります。
まとめ
社会人であれば職種を問わず、様々な環境のストレスを抱え「もっといい会社で働きたい」と思うのは自然なことと言えるでしょう。
何らかの障害の悩みを抱えて日々の仕事に励んでいる方ならなおさらのことです。
そんなときは、人材紹介会社に相談するのもひとつの手です。
イーチリッチは、障害をお持ちの多くの方の就職活動に携わってきました。
一人ひとりに合った無理のない転職活動の方法から、最高にマッチした就職先をご紹介することをお約束しますので、お気軽にご相談ください。