厚生労働省が2020年に公表した「労働安全衛生調査(個人調査)」によると、現在の仕事や職業生活の中で強い不安やストレスを感じる事柄がある労働者は54,2%で、2018年調査の58,0%と比較すれば約4ポイント改善されたように見て取れますが、その後のコロナ禍で職場環境は著しく変化したため、今後は増加傾向になることが懸念されます。
参考:厚生労働省「労働安全衛生調査(個人調査)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r02-46-50_kekka-gaiyo02.pdf
しかし、現代人が社会で仕事をしていくうえで、職場の対人関係や責任感などによるストレスから避けることは不可能と言えるでしょう。
この記事では、日常生活を少し工夫することで、ストレスから解放されるコツを解説していきます。
職場でストレスを感じたら
現代社会においてストレスを受けずに生きていくことは不可能だと冒頭で述べましたが、「ストレスがかかっている」と感じたら、まずはリラックスできる場を設けることです。
仕事を主体に生活している会社員であれば、「仕事以外の時間帯をどう過ごすか」「どう気分転換できるか」というところに尽きるでしょう。
たとえば、通常の会社員であればおおよそ8時間という勤務時間が決まっていますが、その中の昼食時間、すなわち昼休みはリラックスタイムになります。
また、その間の10時や3時に休憩時間があれば、5分でも10分でも軽く運動するとよいでしょう。
デスクワークが主体の人であれば、会社の外に出て少し歩いたり、階段を昇り降りしたり、ちょっとした体操をしたり、いくらでも工夫できるはずです。
体を使う仕事をしている人は、休憩時間は体を休めると同時に読書や音楽を聴いてリラックスすることをおすすめします。
連続して仕事をするよりも、1時間おきなど小刻みに休みながら仕事をした方が、効率アップにつながると言われています。
あとは、仕事が終わったいわゆるアフターファイブ、夕刻からの過ごし方が重要になります。
やはり、気持ちの切り替えをうまく行うことが大事で、会社から離れても仕事のことで頭が一杯という状況では、帰宅してから食事をしたり、お酒を飲んでも少しもおいしくないわけです。
仕事以外の時間帯でリラックスできる手段は、各年代によって異なるでしょうが、一般的にはアルコールを飲むというのがいちばん多いようです。
次に眠ること、3番目はスポーツや趣味という調査結果もあるようです。
ただし、ここで気をつけたいのは、手軽にリラックスできる方法がひとつしかないのでは困るということです。
お酒を飲むことしかしないとか、眠ることしかしないといった一辺倒の方法では、かえって新たなストレスを招いたり、体を壊してしまう結果にもなりかねません。
休日も含めてスポーツや趣味など、複数のストレス解消法を持つことが大事なのです。
ストレス解消に結び付く運動
「ストレス解消には運動がいちばん」という話をよく聞きますが、規則性のある運動であることが重要です。
月に1度ゴルフに行くのと、1週間に1度トレーニングジムで汗を流すのでは、明らかに後者の方がいいのです。
年齢にもよるでしょうが、1度やったらしばらくやらないというような運動は、本当の意味で効果はないのです。
若い人であれば、ラグビーやサッカーといった過激な運動もいいでしょうが、一般的にウオーキングがおすすめです。
歩くということは、若者でもお年寄りでも自分のペースでできることですので、よく歩くことで健康につなげましょう。
よく、万歩計を腰に下げて1日1万歩を目指す人がいますが、8千歩くらいでも十分です。
要は毎日、毎週など規則性があり、かつ自分にとってきつくない運動を続けていくことがストレスを抱えないポイントになります。
対人関係によるストレスを解消する方法
人づきあいがうまくないという人は、自分の殻に閉じこもってしまって、ほかの人との協調が下手であるため、いつも対人関係に強い緊張感を感じているものです。
仕事をしていても1日中緊張の連続で過ごしていますから、人に対する余裕が持てず仕事をしていても楽しくありません。
このような人がまず必要なことは、自分から殻を破る勇気を持つことです。
人づきあいが下手というのは、決してそのまま治らないものではなく、自分から自分を変え、人への働きかけ方を変えることが大切です。
そういうアクティブな発想から、明るさとや前進が得られるのです。
たとえば、今まではあまり話したことがないような人でも、自分から進んで声をかけるなどした場合、「この人でもこんな話ができるんだ」というように、相手から新しい見方で見直されることもあるでしょう。
自分を変える方法としては、鏡の前に立って大声を出したり、あるいは鏡に映った自分を上司や同僚などに見立てて、感情をむき出しにする訓練をおすすめします。
神経質な人というのは、とかく内向的でストレスを溜めやすいものです。
ストレスを溜めやすいということは、自分の「ストレスに対する受け止め方が弱い」ということが言えます。
これを変えていくには、自分から積極的に振舞って、自分で改善していくしかありません。
大切なのは、自分自身を理解したうえで自分を変えるということです。
まとめ
ストレスが溜まり過ぎると「ストレス病」という病気になってしまうことがあります。
この病気は、ストレスが原因で起こる「体の病気」と「心の病気」の2つに大別されます。
「体の病気」は十二指腸潰瘍・高血圧・糖尿病などの心身症、「心の病気」はノイローゼ・うつ病などがその代表例です。
そのような事態にならないように、日頃からストレスを抱えない生活を心がけましょう。
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